選手の成長にクラブの成長がついていけていない。
そういうときに他からオファーが来れば出ていけばいいし、
逆にクラブの成長に選手がついて来られない。
そうなったら、選手は何か別の方法を考えなければならない。
※曖昧な記憶の文字起こしなので細かい表現等は違うかもしれません。ご了承ください。
HBCラジオ「ナルミッツ」内のコーナーにて、電話生出演した野々村社長が1月6日の放送の中で語った言葉。
「選手との残留交渉において、社長の"口説き文句"みたいなものってあるんですか?」という水野アナウンサーからの質問に答える形で発せられたものだったと記憶している。
聴いてた当初は「ただ単に"残って!お願い!"ではなくて、選手のキャリアも考慮して組織としてこういう考えを持っているのは素晴らしいなぁ」という漠然とした感想を持つにとどまったけど、これってよく考えてみたら…
自分たち一般の社会人も、この言葉を意識して仕事をするべきではないか?
特に若手社会人。
社長の言葉の意図を自分なりに整理してみる
「選手の成長」:今いる場所(クラブ)でスキル・専門性を高めて、自らの市場価値を向上させること
◯サッカー選手の「スキル」とは?
→パスセンス、ドリブル突破力、ゲームメイク力(りょく)、キャプテンシー、セットプレーでの決定力……などなど
スキルは総合的に高めることがもちろん大事だが、例えば札幌の福森選手のようにフリーキックのテクニックが超一流だと、それ自体が単体で大きな市場価値となる
「クラブの成長」:良い戦績を上げ、戦いの場をレベルアップさせていく(J3→J2→J1、ACL出場など)ことによって市場(リーグ)における優位性を獲得し、その効果で知名度や集客力などをアップさせること
◯クラブが成長し、市場における優位性を得るメリット
- 所属選手のレベルアップ(組織内で成長した選手&その組織に魅せられて移籍してくる選手)
- より優秀なコーチングスタッフの招聘(チームの成績向上、選手のスキル向上に寄与)
- 知名度や集客力がアップすれば当然クラブの収入もアップ→設備投資でより良い練習環境の整備
◯選手とクラブの相関関係
- 選手のスキルアップがクラブの成績向上につながり、クラブを成長させる
- クラブの成長が選手のスキルアップに寄与する環境を作り出し、所属選手のレベルが上がる
という、相関関係が見て取れる。
この相関関係があるからこそ
選手の成長にクラブの成長がついていけていない。
→ そのとき、選手は他クラブから見ても魅力的なスキルを持っているから、より魅力的なオファー(ハイレベルな戦いの場、優秀なコーチングスタッフ、待遇など)が来る可能性が高いし、来たら移るべきである。
クラブの成長に選手がついて来られない。
→そのとき、戦いの場を上のステージへと移すクラブにいても出場の機会には恵まれないし、試合に出なければスキルアップも望めない。それならば、もう一度身の丈に合った環境で自分をブラッシュアップしていく必要がある。
その選択は自らの意志で行う場合もあれば、クラブ側から与えられる(=契約満了)場合もある。もちろん、プロサッカー選手として活躍することが難しいと判断されれば……別の(食っていくための)方法を考える必要がある。
社長はきっと、この言葉を通じてこんなメッセージを発しているのだろう。
「とりあえず今コンサで頑張ってスキル磨け」という単純な意図もあると思うけどね…
◇
じゃあ、これを一般人に置き換えてみるとどうだろうか。
「選手」=「社会人」、「クラブ」=「組織」として考えると、組織に属して働く社会人が目指すべきは
今いる組織でスキル・強みを磨き、他社からより魅力的なオファーが来るくらい自らの専門性を高める
ということになるだろう。
今いる組織でスキルをある程度高めた(自己評価、また組織内でポストを与えられるという形での他社評価があった)とき、組織のレベルや目指すところが自らの考えと一致すれば、プロスポーツで言うところの「ミスター◯◯」になれるようにより一層の努力をすればいい。
目指すところ、レベルが違うなら出て行くための活動をしてみればいい。
そのために、社会人(特に若手)は今目の前の仕事を頑張りましょう、ということになる。
◇
「でも、自分にスキル・専門性・強みなんて無いのでは…」
そう思う人もいるかもしれない。確かに、社会人経験数年で他社から引っ張りだこになるようなスキルなんてなかなか身に付けられるものじゃない。
でも、新卒で入社してから今に至るまでの仕事を一つひとつ振り返って分析してみると、「将来的にそこまで高められる可能性を秘めた要素」は意外とたくさん見つかる。
営業、コミュニケーション、接客、電話応対、作業効率化、時間管理、プレゼンテーション、文章作成、マネジメント、交渉、調整……
ざっと思いつくままに書いたが、誰でも日々の仕事でここに挙げたどれかは使っているだろう。
そのどれかひとつを福森選手のフリーキックのように超一流まで高めれば、自らの市場価値はそれだけ上がっていく。
◇
また、別の角度「強み」から自分を見つめる方法もある。
「ストレングスファインダー」を使うのが良い。
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弱点の改善ではなく、強みの活用。
強みは"才能"、"知識"、"技術"の3つが組み合わさって生まれるが、中でも"才能"は一人ひとりが持つ「資質」が基になっており、独自性のある天性のものである。
才能、引いては強みの源泉となるその「資質」を探し当てるツールこそ、「ストレングス・ファインダー」である。
これに関しては「資質を強みにする」ということがゴールではなく、強みを活かして仕事を選択したり、仕事のやり方を工夫してみたりする、というのが使い方の目的になるだろうか。
◇
最後になるけど、社会人としてこれだけは避けなければならないのは
選手は何か別の方法を考えなければならない。
いつの間にかここに入ってしまうことだ。
プロスポーツ選手だったら実力が足りなければすぐにクビだけど、今の日本の企業では多少仕事ができなくったって簡単に解雇されたりはしない。
だからこそ自らをしっかりと律し、スキルを磨く必要がある。
食っていくために自分の好きでもない、ただただツラい仕事をせざるを得ないのは、きっとしんどい。
自分の市場価値を高めて、優位に仕事ができるようになろう。
折角の機会だし、どうでもいい自分自身の話を書く。
25歳、大卒3年目。
世間一般に言う「とりあえず3年」をそろそろ迎えようという段階だが、自分はブログタイトルの通り中間管理職をやらせてもらっている。もうすぐ1年になる。
下積みが足りないと言われればごもっともかもしれないけど、管理者になったからこそ見えたものもたくさんあるし、何より人を使う難しさを痛感した。
特に希望もしていなかった就職先だけど、この年齢でそれを経験させてもらえたのは何より有り難いことだと思っている。
直近の課題はマネジメントスキルの向上。今の実務に直結するから。
それにプラスして、中長期的に目指すところをこの1年くらいかけて少しずつ明確化していって、必要とされるスキルの研鑽に努めたい。
まぁ、まずは目の前の仕事頑張らないとね。