僕らの街にサッカーが帰ってきた。
昨晩からの雪がドームを白く染めようとも、中に入って深呼吸をすれば、芝と土の匂いがそこまで迫った春の訪れを教えてくれる。
◇
春は、なんだかワクワクする。
長い冬が明けて、また何でもゼロから始められるような感覚が、人の心を新たなことに向かわせるのだろう。
いつも通りのことも、なんだか新鮮に感じてしまう。
「お願いしまーす」
掛け声とともに上の席から赤黒のタスキが降りてくるのも、サッカーシーズンの風物詩。
でも今日は、いつもと違う洗剤の良い匂いがした。
春。新しい始まりに合わせて、有志の人たちが洗ってくれたのだろう。
◇
負け
負け
引き分け
開幕から3試合で勝ち点1は、もしかしたら物足りない結果かもしれない。
でも、僕達には「J1残留」という最大の目標がある。諦めるわけにはいかない。
残り31試合。
目標を成し遂げるため、サポーターの気持ちを繋ぐ一本のタスキに汗と涙を染み込ませて戦い抜こう。
悲しみの涙はもう要らない。欲しいのは、歓喜の涙。
秋。この道を歩くとき、僕達はどんな気持ちでいるだろうか。
僕達サポーターが、その未来を少しでも良くする力になることが出来るのならば、そう信じて力の限り応援をしよう。
目標を達成したという、充実感と喜びを噛み締められるように。
そして、来年もJ1の舞台で良い匂いのタスキを肩にかけられるように。
☆アウェイも行こうぜ