27歳中間管理職の日記

27歳、中間管理職。肩書にとらわれず、ただ社会人としての価値の向上を。いろいろ書く雑記です。

チーム愛を人質に取られて-ヴィッセル神戸の2019シーズンチケット戦略に思うこと

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今日、ヴィッセル神戸の「ゴールド会員」を対象としたチケットの先行販売が始まったらしいのだが、その驚きの価格にTwitterのJサポ界隈がざわついている。

 

 

 

FC向けのアメリカキャンプツアーが売れなさすぎて、ゴリゴリ値下げをしていった件の反省の結果がこれだと悲しすぎるけど、それはまぁいい。

物申し記事恒例、はじめに僕のスタンスを書いておくやーつ。

 

  • 商売としてやっている以上、価値が見込まれる試合に高い値を付けるのはある意味「当たり前」だと理解できる
  • そんな手を打つなら、世界的タレントを次々獲得し、注目度が高まっている今が妥当
  • しかし、どう見ても「稼げるうちに稼いどけ!」という感じがして、長期的にはこの価格戦略が良い方向に転ぶ可能性は限りなく低い(と思う)

 

じゃ、始めます。

 

選手の個の力で「点」を「線」に出来たことは、Jリーグ25年の歴史でどれだけあっただろう

 

これまでのJリーグ25年の歴史の中でも、数々の「世界的選手」が戦いの舞台として日本を選んでくれたことがあった。

「あの選手が生で見られる!」というのは、新規客をスタジアムに呼び込むための動機としてこの上ないものだし、実力のある選手が俺達のチームに来てくれるのは、サポーターとしても悪い気はしない。

 

けれど、四半世紀のリーグの営みの中で、有名選手を理由に観戦に訪れ(=点)、それがリピーターとなった(=線)人はどれだけいるだろう。

その選手のニュースで連日メディアを賑わせた(=点)結果、そのクラブは地元でどれくらいの市民権を得た(=線)だろう。

 

残念ながら、歴史というものはそう簡単に変わるものではない。

 

今回の取り組みは過去に例を見ないものだとは思うが、固定客の獲得という面での成功確率は…というと、やはり高くはないと思う。

 

「期待値」と「事実」のハザマで

 

ここで思い出しておきたいことがある。

昨年、イニエスタとポドルスキという世界的名選手を擁していた、ヴィッセル神戸。

それで何位だったか。

 

リーグ10位である。

これは誰が見ても同じ「事実」。

 

強いという「事実」を持たない、前年10位に甘んじたチームが取る戦略としては、あまりに飛躍しすぎていないだろうか。

 

今年の補強に期待が高まるのはわかるが、あくまで「期待値が高い」だけ。

フタを開けてみたら優勝争いどころかACL争いにも絡めず、なんていうことになって、それでもなおこの高いチケットでスタジアムに来よう、という人は……いるのかなぁ。

 

ま、そういうときはダイナミックなプライシングでガツンと値下げすればいいだけですもんね。

 

結局、一番ワリを食うのは「クラブ愛を人質に取られた」既存のサポーター

 

一度ノエスタに足を運び、イニエスタやポドルスキのプレーを生で堪能し、とても時間のかかる分断退場に辟易しながら家路に就く。

スター選手目当ての一見さんは一人減り、二人減り……そうして行くうちに、最後に残るのは少しの新規固定客と、これまでずっと応援してきたサポーターである。

 

サポーターというのは、一度そのクラブを愛してしまったら、簡単に応援をやめられるものではない。

チームが下位に甘んじていても、J2に落ちてしまっても……信じて応援し、またスタジアムに足を運ぶのである。

それは、チケット代が倍近く高くなってしまっても同じだ。

 

これが、クラブの末永く続く成長につながるのだろうか?

 

 

プロスポーツビジネスにおいて、必ずいつか引退を迎える選手は「フロー」的な資産であり、流動的なもの。

対して、あまり流動することがなく、積み上げて地盤を強固にしていくことが出来る「ストック」的な資産は、ファン・サポーターの「クラブ愛」だと思う。

 

選手というフロー資産は、いくらお金をかけてビッグネームを獲得してきたとしても活躍するとは限らないし、一方で年俸の安い選手が突如覚醒して大活躍する可能性もあり、資産としてのリスクが非常に高い。

しかしクラブの運営において、チケットやグッズの収入の安定したソースとなり、応援という形で試合の雰囲気を共に作るパートナーでもある「クラブ愛」を持ったサポーターは、一度獲得してしまえば安定性の高いストック資産となる。

 

こんな観点から見ても、今回の神戸の施策は長期的にはやはり賛成できない。

僕らビジターサポは別にいい。1回ポンと4,000円ほどを出せば済む話だから。

ただ、ワリを食うことになる神戸のサポーターが少し不憫である。

 

人質に取られた「クラブ愛」は、リーグやカップ戦の優勝、最低でもACL出場権という目標を逸したとき、どうなってしまうのか。

2019シーズンは、その行方も少しだけ注目しておきたい。

 

 

【2019/01/26 13:27追記】

年パスはそこまで高くないみたいです。